包茎手術
包茎治療として最もポピュラーなものは、勃起時に余る分の包皮を外科的に切除してしまい、亀頭を覆うことができないようにする包皮切除手術(包茎手術)である。二次性徴終了後も包皮が反転できるようにならず勃起時に陰茎に痛みを感じる場合、あるいは嵌頓状態になって戻らない場合には、外科的治療の対象となり、日本では健康保険の適用対象となる。
その一方で、勃起の妨げとはならない場合や、小児以下への治療や、単なるアンカット(俗に言う仮性包茎)の場合は、美容外科(美容整形)と同様に自由治療となり、健康保険は適用されない。
また、民間療法としては、思春期以降、アンカット(仮性包茎)ペニスを気にした男性が、故意に包皮を剥いたまま生活することで、いつしか常に包皮が反転した状態でとどまるようになることがあるとの俗説から、通信販売(インターネット上のサービスを含む)などでこのための器具・物品が販売されている様子も見られる。ただしばしば、こういった物品が医学的根拠を持たない・或いは消費者が誤った用法で健康被害を蒙るなどの話も、消費者側が立ち上げたウェブサイトなどを通して見受けられる。
本来は第二次性徴の後も亀頭を覆う役割を果たす包皮を強制的に反転させ続け、その機能を消失させるという意味では、日本人男性に風習的に根付いた肉体改造行為の一種ともいえる。
ただし、この方法によって常に亀頭が露出した状態になるかどうかは個人差があり、たとえば包皮の長さが亀頭よりもある程度長い場合や、亀頭のエラの張りがあまり無いために包皮が被さりやすい場合などにおいては、この方法での矯正は難しい。また、矯正に成功したとしても、寒い時や緊張している時など陰茎が萎縮した際には、包皮が元に戻る可能性が高くなる。
勃起時には完全に亀頭が露出するアンカット(仮性包茎)の場合、常に清潔を心がけていればデメリットは少ないとの説や、性感染症(STD)や包皮炎の原因のひとつになるという説などがある。包茎治療の代償として、亀頭が過剰な刺激を受けることによって感覚の鈍化、ひいては性感の減退が起こるという考え方と、逆に包皮が亀頭の感覚を妨げなくなることのによる性感が向上するとの考え方がある。いずれにしても不適切な手術方法や稚拙な外科技術に起因する、傷跡や変形といったリスクも考慮する必要があり、手術の必要性の有無は事前に十分吟味するのが望ましい。
割礼は地域によって慣習的に行われているが、その意味においては根拠に基づいた医療にはよらず、もっぱら宗教などに基づく風習的な面が強く、『スポック博士の育児書』では住んでいる地域で周囲が慣習的に行っている場合にのみ、将来的な子供間の被差別(いわゆるいじめ)などを回避する意味合いから施術を勧めている程度である。
アメリカでは新生児に対する包皮切除手術が盛んに行われていた時期があったものの、ヨーロッパとは違い、包皮の重要性が説く一部の学説を契機に、新生児への割礼を行わない例も見受けられる。また、新生児期に包皮を切除された者の中には、包皮を取り戻したいという意思を持つ者もいるため、包皮再生手術も行われている。詳しくは割礼を参照のこと。また新生児に対する包皮切除手術の結果として、将来的な陰茎の変形などのケースも多数あり、こういった手術を問題視する傾向もある。
なお、包皮輪狭窄による真性包茎は包皮輪を広げることにより治療できるといわれている。副作用は強いものの、ステロイド剤治療などが有効で、米国では、同療法による効果が報告されている。
医療機関での受診がためらわれる事柄のため、自分で包皮輪を徐々に広げたり、市販の器具を使うことで包茎を解消を試みる例もある。しかし、民間療法は効果や危険性を含め自己責任であり、すべての人が安全に包茎を解消できる保証はない。鬱血や痛みや異常がなどの症状が見られた場合は、すぐに中止して病院に行くべきである。
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